こんにちは!ライターのAliceです!
男の子の健やかな成長を祈る端午の節句では、昔から兜を飾る習慣があります。
今年、私の子供が初節句を迎えたのですが、自分の両親と義理の両親の両方からお祝いの兜を買ってあげたいと申し出がありました。
初節句には、兜を贈るということは知っていましたが、誰が購入すべきなのか知らなかったので、どちらから購入してもらったらいいのかわからず困ってしまいました。
そのことがきっかけで、初節句の兜について色々と調べてみましたので、今回は初節句に兜を贈る意味や、誰が購入するのかについて詳しくご紹介したいと思います。
初節句で男の子にあげる兜の意味って何?
初節句で男の子にあげる兜には、「子供を病気や事故から守り、力強い子に育つように」という願いが込められています。
兜が贈られるようになった由来は、日本の鎌倉時代や室町時代の武士の習慣が関係していると言われています。
端午の節句はもともと、旧暦の5月、つまり現在の6月頃(梅雨の時期)に、男の子の健やかな成長を願って行われていました。
鎌倉、室町時代は武士の時代でしたので、この時期、多くの武家では兜などが傷まないよう風通しをするために、家の中に飾っていたそうです。
この武士の習慣が、現在の端午の節句の習慣に繋がっていったと考えられています。
また、武具は戦で自分の身を守ってくれるための道具ですので、その道具を飾ることで、「身代わりとなってわが子を守ってください」という意味も込められています。
兜や鎧は、子供を病気や事故から守り、力強い子に育つようにという願いの象徴なんですね。
ちなみに、節句とは、季節の節目という意味で、昔から邪気が入りやすい時期と考えられていました。
そのため、節句の時期には無病息災を願って様々な行事が行われるようになったと言われています。
その代表的なものは五節句(ごせっく)と呼ばれ、「1月7日人日(じんじつ)の節句」「3月3日上巳(じょうし)の節句(桃の節句)」「5月5日端午(たんご)の節句」「7月7日七夕(たなばた)の節句」「9月9日重陽(ちょうよう)の節句」があります。
初節句の兜って本来誰が買うもの?
初節句に兜を贈るのは、本来、母方(妻)の親が贈るのが一般的でした。
これには理由があって、昔は家などを父方(旦那)が用意していたので、節句などのお祝い事は母方(妻)が用意することで負担を公平にしていたようです。
また、お祝いを持っていくことで普段から離れて暮らす娘や孫に、母方(妻)の親が会いにいけるなどの理由があると言われています。
ただし、現在では家族形態や住環境が変化していることもあって、どちらの親が購入するのかは正解はないようです。
両方の親が折半したり、夫婦が自分たちで選んで購入し、後日お祝いとして両親から現金を贈られるなど様々なケースがあるようです。
そのため、夫婦と双方の親と負担が公平になるよう相談して、みんなでお祝いするのが一番だと思います。
購入する時期や飾る時期は?
店頭に並び始めるのが2月下旬頃からなので、たくさんの種類があるうちに購入しておいたほうがいいと思います。
平均的な相場は?
しかし、兜に太刀(たち)や鎧(よろい)がセットになったものだと10万以上するものが多いので、予算をしっかりと決めておくことが大切です。
家に飾るスペースをしっかり把握して、サイズを測ってから購入すると間違いはないと思います。
兜には大きく分けて3つの種類があるので、それぞれの特徴と相場についてご紹介していきます。
大将飾り
人形が兜や鎧を身に着けているタイプのものです。
かわいい顔の男の子の人形なので、子供も怖がらず、喜んでくれるかもしれません。
屏風や飾り台がついているので、雛人形のように華やかになります。
サイズは小さめのものが多いので、スペースをとりませんし、小さい分値段も比較的安いものが多いです。
相場:3-10万
兜飾り
兜飾りは、その名の通り兜を中心にした飾りで、一般的に兜の両側に弓太刀という弓と太刀の飾りが添えられます。
兜だけの飾りですが、大きさは様々で、コンパクトなものから大きなサイズまであります。
自分の家の収納スペースをしっかり調べたうえで、ぴったりの物を見つけることをおすすめします。
相場:5-15万
鎧飾り
兜だけでなく全身を守る鎧がついている本格的な飾りなので、長男や跡継ぎの方など豪華にお祝いをしたい人におすすめです。
そのため、相場も少し高めです。
種類によっては実際に子供が身に着けることもできる着用鎧もあるので、喜んでくれるかもしれませんね。
相場:15-30万
しかし、最近はマンションなどの床の間がない家庭でも鎧飾りが飾れるように小さい飾りもあるようです。
こういった飾りは大きなものと比べて安くなっています。
相場:5-10万
初節句の兜はお下がりでも大丈夫?
兜のお下がりは、やめたほうがいいようです。
先ほどご紹介したように、兜には、「子供の身代わりとなって災厄を受ける」という役割があるためです。
つまり、一度贈られた兜は、その贈った相手の身代わりとなって既に役目を果たしています。
兜の役割を考えると、もしお下がりを使ってしまう場合、その人の厄も引き継いでしまいます。
やはり、お下がりの物は使わずに、新しいものを用意したほうがいいです。
役目を終えた兜は神社やお寺の供養祭などで供養するのがおすすめです。
男の子の兄弟でも、やはりお下がりは避けて、次男、三男には小さいサイズのものをプレゼントしたり、違う種類の兜をプレゼントするといいと思います。
ちなみに、お下がりをプレゼントすることはタブーとされていますが、お父さんの兜などを一緒に飾るのは大丈夫のようです。
家族の歴史や伝統を大切にしつつ新たな男の子の誕生と健やかな成長を願うことができるので、スペースがある人で昔の兜をまだ持っている人はぜひ一緒に飾ってみてくださいね。
初節句のお祝いは兜以外に何があるの?
端午の節句のお祝いには、兜以外に、鯉のぼり、菖蒲、柏餅、ちまきなどがあります。
鯉のぼり
その由来は、中国の「登竜門」という伝説の中で、鯉が中国の登竜門という流れの激しい滝を登りきったことが元になっていると考えられています。
滝を登り切った鯉のように、どんな環境の中でも負けずに立派な人になってほしいという願いが込められているのですね。
菖蒲(しょうぶ、あやめ)
それに加え、菖蒲の葉には独特の香りがあります。
この香りが厄除けや邪気払いになると考えられ、初節句のお祝いには菖蒲を門に飾ったり、菖蒲酒を飲むようになりました。
また、お風呂に菖蒲を入れる菖蒲湯も、邪気を払って身を清めるということから現在でも続く伝統になっています。
柏餅(かしわもち)
江戸時代に日本独自の文化として始まった風習と言われています。
ちまき
まとめ
今回は、初節句で男の子にあげる兜の意味や、誰が買うのか、というテーマでご紹介しました。
兜や鎧は、子供を病気や事故から守り、力強い子に育つようにという願いの象徴です。
初節句に兜を贈るのは、本来、母方(妻)の親が贈るのが一般的でしたが、現在では特に決まりはないようです。
ちなみに、我が家では祖父母が遠方に住んでいたので、自分たちでスペースを考えて購入後、両家の親からお祝いをもらって解決しました!