こんにちは、ライターのさゆです!

日本には、四季を表現する言葉がたくさんあって素敵ですよね。

でも、いざお手紙を書こうと思ったときに、季語の使い方や例文がわからない…と悩むことも多いと思います。

私も先日、遠い親戚から近況の報告と私を気遣ってくれる嬉しいお便りをいただいたのですが、お返事の書き方がわからずに悩んでいます。

梅雨の時期ということもあり、「入梅の候」という季語を使おうと思ったのですが、実際にいつまで使える言葉なのかきちんとわからなかったので、詳しく調べてみました!

 

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入梅の候の意味って何?

可愛い傘とカエルの写真

調べてみると、「入梅の候」は「にゅうばいのこう」と読み、梅雨入りの頃という意味で使われることがわかりました。

実際の梅雨入りの時期は、地域によって異なりますが、この場合は暦の上での梅雨入りを表すようです。

そのため、6月中旬に使うことができる時候(じこう)の挨拶ということになります。

「時候(じこう)の挨拶」とは、お便りやお礼状などで使う「拝啓(はいけい)」などに続く書き出しの言葉で、四季が豊かな日本ならではの習慣です。

ちなみに、「入梅の候」は北海道や小笠原諸島など梅雨のない地域の人に送るときや、時期としては合っていても実際の天候とかけ離れているときは使わない方がよいと思います。

 

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入梅の候を使った例文は?

かたつむりとアジサイの写真

実際の梅雨入りの時期は地域や年によっても違ってくるので、梅雨入り前後でそれぞれ例文をご紹介します。

実際に梅雨入りしているときの例文

拝啓 入梅の候、いかがお過ごしでしょうか。

この度はお便りをいただきまして、大変嬉しく思っています。

梅雨冷えする今日この頃、体調など崩されませんようご自愛ください。敬具

 

拝啓 入梅の候、〇〇様におかれましてはその後お変わりなくお過ごしのことと存じます。

この度はお便りをいただきまして、誠にありがとうございます。

しばらくはまだ雨の日が続きますが、こころ健やかにお過ごしください。敬具

 

実際には梅雨入りしていないときの例文

入梅とはいうものの、天気が良い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?

この度はお便りをいただきまして、ありがとうございます。

またまだ不安定な天気が続きそうです。くれぐれもご自愛ください。

 

例文からわかるように、基本的に「書き出し」「本文」「まとめ」という構成で書くのがマナーです。

それぞれにルールがありますので、下記も参考にしてみて下さいね。

【書き出し】 頭語(とうご)+時候の挨拶・相手を気遣う言葉

●頭語(とうご)

手紙の切り出しに使う「拝啓(はいけい)」「謹啓(きんけい)」などのことで、相手に対する敬意を表します。

文末の締めくくりに使用する結語と対になり、組み合わせにはルールがあります。

●時候(じこう)の挨拶

「入梅の候」などの季節を表す言葉で、相手の体調を気遣う言葉と一緒に使います。

 

【本題】 起こし言葉+本文

●起こし言葉

前文から主文に入る際に、「さて」「このたびは」など話題を変えるために使用します。

●本文

お便りを書く経緯(お礼など)を本題として書きます。

 

【まとめ】 結びの言葉+結語

●結びの言葉

手紙を締めくくる言葉で、全体の印象を引き締める役割がある重要なものになります。

●結語

頭語と対になるもので、「敬具(けいぐ)」「謹白(きんぱく)」「かしこ」などのことをいいます。

 

入梅の季語はいつまで使えるの?

葉の雫の写真

冒頭で「入梅の候」は6月中旬に使う時候の挨拶とご紹介しましたが、あくまでも時候の挨拶は季節を感じさせるものでなければなりません。

どんなに遅くても、夏のはじまりとされる6月22日の夏至までと考えておくといいようです。

毎年、梅雨の時期は大きく変わりますので、梅雨の時期がまだまだ先になりそうだったり、既に終わっている場合は違う季語を使うことをオススメします。

入梅の候の時期に使うことができる季語がいくつかありますので、ご紹介しますね。

入梅の候と同じ梅雨に関する季語

●梅雨の候(つゆのこう・ばいうのこう)

意味:梅の実が熟す雨の時期になりました

使える時期:5月下旬~6月上旬

 

●長雨の候(ながあめのこう)

意味:雨の日が長く続いています

使える時期:6月上旬~6月中旬

 

同じ梅雨に関する季語ですが、季節の変わり目ということを伝えたいときは「梅雨の候」、雨の多い年は「長雨の候」と使い分けても良いと思います!

入梅の候の時期に使う季語

●初夏の候(しょかのこう)

意味:夏がはじまります

使える時期:5月下旬~6月上旬

 

●向暑の候(こうしょのこう)

意味:暑い時期に向かっています

使える時期:6月中

 

●夏至の候(げしのこう)

意味:本格的に夏がはじまります

使える時期:6月下旬

 

梅雨がない地域へのお便りや、雨の少ない年の場合、送るタイミングによって上記の3つを使い分けるのがオススメです!

春から夏への季節の変わり目が近づく5月下旬頃には「初夏の候」、6月に入って気温が上がってくる頃には「向暑の候」、6月下旬のいよいよ夏本番となる頃には「夏至の候」を使うのがいいと思いますよ。

 
こちらの記事では、「向暑の候」の使い方と例文を紹介しています。前述したとおり、雨の少ない時期や地域の場合には「向暑の候」を使ってくださいね。


 

要約

  • 入梅の候とは、「梅雨入りの頃」を意味する時候(じこう)の挨拶
  • 入梅の候の季語を使う時期は、6月中旬(6月11日頃~6月22日の夏至の前まで)
  • 北海道や小笠原諸島など梅雨がない地域や、雨が少ない年の場合は「入梅の候」や、同様に梅雨を表す「梅雨の候」「長雨の候」は使わない
  • お便りにはまず「書き出し」として頭語(とうご)と時候(じこう)の挨拶、相手の体調を気遣う言葉を入れて、そのあとに「本題」として起こし言葉と本題、最後に「まとめ」として結びの言葉と結語を書く
  • 入梅の候の時期に、梅雨入り前だったり、既に終わっている場合は、「初夏の候」「向暑の候」「夏至の候」などを使う

まとめ

今回調べてみたことで、「入梅の候」の意味や、実際にお便りを書くときの例文がわかったので、例文を参考にお便りのお礼と、体調を気遣う内容で書き進めようと思います。

梅雨の時期であれば「入梅の候」を使えると思っていましたが、時候の挨拶は季節感や天候を表すための言葉ということで、雨が少なかったり、梅雨がない地域にはふさわしくないということもわかって、気をつけようと思いました。

お便りで「入梅の候」の季語を使う時期や、どのように使えばいいのかと悩まれているなら、是非参考にしてみてくださいね!

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