こんにちは、ライターのLaylaです!

夏は、お中元や暑中見舞いなど、贈り物や手紙を出す機会が増えますよね。

特にあらたまった手紙を書きたい時には、言葉選びは慎重になると思います。

中でも、気温が高くなる夏の時期は、「向暑の候」という言葉が多く使われますが、自分でいざ手紙を書くとなると使い方が合っているのか、使うタイミングなど気になりますよね。

季節ごとの挨拶や季語の使い方には、日本ならではの決まりがあって、気候や月日によっても変える必要があります。

そこで今回は、「向暑の候」の使い方について詳しくご紹介していきたいと思います。

また、同じ時期に「夏至の候」という言葉も使われますが、使い分けや、いつまで使えるかなども、あわせてお伝えしますので是非手紙を書く際の参考にしてみてくださいね。

 

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向暑の候の意味や読み方は?

はてなのイメージ

向暑の候」は、「こうしょのこう」と読み、漢字からもわかるように、「向暑」は暑さに向かう時期という意味があります。

そして、「候」という字は、季節を表す漢字で、その季節を感じる手がかりや兆しといった意味もあります。

つまり、だんだんと気温が上がってきて、夏の訪れを感じる頃に使用する時候の挨拶です。

そして、間違えやすいのが、「候」の読み方です。

「候」は「そうろう」とも読めるのですが、昔ながらの言い回しで、「~である」という意味になってしまうので分けて考えてください。

ちなみに、時候の挨拶というのは、手紙やはがきを書く際、書き出しに入れる季節を表す一文のことです。

四季の変化に富んだ日本では、季節を感じさせるために欠かせない挨拶であると言えますね。

 

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向暑の候を使った例文

万年筆

基本的には、書き出しの挨拶として、「拝啓」のあとに置くことが一般的です。

また、書き出しに時候の挨拶を使用したら、結びの挨拶もその季節に合った言い回しをすると綺麗にまとまりますよ。

いくつか例文をご紹介したいと思います。

晴れ間が出て気温が上がってきた時期の場合

拝啓 向暑の候、木々の緑も一層深まり、夏を感じる季節となりました。

◯◯様におかれましては、元気でお過ごしのこととお慶び申し上げます。

―本文―

初夏とはいえ、汗ばむ日もございますので体調にご留意ください。

敬具

 

梅雨入りしていても比較的暑い日が続いている場合

拝啓 向暑の候、梅雨が明けたかのような、日差しの強い日が続いております。

ご無沙汰しておりますが、変わり無くお過ごしでしょうか。

―本文―

梅雨明けに向け暑い日が続きますが、どうぞご自愛くださいませ。

敬具

 

5月下旬から6月に使用する、ビジネス向けの文章の場合

拝啓 向暑の候、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

平素は格別のお引き立てを賜り、心から感謝いたしております。

―本文―

日増しに暑くなっておりますが、貴社のさらなるご発展をお祈り申し上げます。

敬具

 

ご紹介した例文のように、文章の順番や内容について、以下のような最低限のマナーやルールがあります。

①頭語

頭語には「拝啓(はいけい)」や「謹啓(きんけい)」などがあります。

どちらも相手を敬う言葉ですが、一般的には拝啓で良いと思います。

謹啓は、より敬意が高く、ビジネスなどのフォーマルな場で使われることが多いです。

 

②時候の挨拶

「向暑の候」のような季節を表す言葉を入れます。

 

③相手の体を気遣う言葉

「いかがお過ごしですか」「お変わりないですか」などといった相手の体調を気遣う一文を入れます。

 

④本文

最初に「さて」「この度は」「さっそくですが」などといった言葉を入れると、スムーズな流れで本文へいくことができます。

 

⑤結びの挨拶

「ご自愛ください」「ご活躍を祈念いたします」など、相手の健康や活躍を祈る挨拶を入れます。

 

⑥結語

結語は、頭語との決められた組み合わせがあるので、セットで使うようにします。

例えば、「拝啓」の結語は「敬具(けいぐ)」、「謹啓」の結語は「謹言(きんげん)」となります。

 

夏至の候と向暑の候の使い分けは?

青空

「夏至の候」「向暑の候」は、どちらも6月に使える時候の挨拶です。

使い分けとしては、6月下旬には「夏至の候」を、それ以外の5月下旬~6月中旬は「向暑の候」が適しています。

「夏至の候」は、言葉の通り、夏至の間に使用する時候の挨拶です。

例えば2020年の夏至は6月21日から7月6日となっており、この期間は毎年ほぼ同じなので、この間に使います。

ただ、7月上旬になると、「盛夏の候」「盛暑の候」など他の時候の挨拶の方が適しているので、夏至の候を使うなら、6月下旬がベストです。

それに対して、「向暑の候」は気温が高くなり始める5月下旬頃から、6月下旬頃までは使用できます。

単純に、夏至の期間内に相手の住所へ到着する手紙には、「夏至の候」を、その期間でないものは「向暑の候」を使用すると良いと思います。

向暑の候はいつまで使えるの?

カレンダー

「向暑の候」は、基本的には5月下旬から6月下旬までの間に使えます

ただし、地域やその年の天候によって「向暑の候」が適さない場合があるので、適宜使い分けてくださいね。

というのも、「向暑の候」は、夏の暑さに向かう時期に使う時候の挨拶で、晴れ間のある比較的気温の高い季節を指しているからです。

そのため、5月下旬~6月下旬であっても、梅雨真っただ中で、雨が降り続いている地域では、向暑の候よりも「梅雨の候」「長雨の候」などの梅雨を表す時候の挨拶が適しています。

また、沖縄など6月下旬には梅雨が明けている地域の方へは「向暑の候」よりも「梅雨明けの候」の方が適しているので、実際の気候に合わせた言葉を選ぶことが何よりも大切です。

 
梅雨入りを表す季語には「入梅の候」がふさわしいです。例文も紹介しているので、時期にあわせて参考にされてくださいね。

まとめ

「向暑の候」は、5月下旬から6月にかけての、夏に向かって気温が上がってくる時期に使用する時候の挨拶です。

ちなみに、5月下旬~6月は、全国的に梅雨の時期でもあるので、梅雨真っただ中の場合は「梅雨の候」など別の言葉を選ぶ方が適している、ということも頭に入れておくと良いですね。

時候の挨拶は季節感が大事なので、時期もそうですが、相手の地域やその年の天候に合わせたものを選んでください。

例文も参考にしながら、ぜひ日本ならではの季節感の味わえるお手紙を書いてみてくださいね。

 

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