こんにちは!ライターの河端です。
最近は資産運用をする人が増えており、投資に興味を持つ機会も多くなりましたね。
ですが、「利息?利子?」「複利って何?」と、分かりにくい用語に困ってしまうことも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、つみたてNISAの解説などでよく耳にする「複利」という言葉について、その意味や効果をまとめてみました。
言葉だけ聞くととても難しそうに感じますが、実はそこまで難しくありません。
元銀行勤めの筆者が、計算の例なども紹介しながら、複利とは一体どのようなものかご紹介していきます。
複利とはすごく簡単に何?
複利とは、利息計算の方法の一つです。
簡単には、「元本(元の資金)+利子」の金額に、また利子がついていく方式です。
この「元本」や「利子」といった言葉の意味は、次に紹介していきますね。
複利の効果を上手く使えれば、長期的に運用することで資産を増やすことが可能です。
効率的な資産運用には欠かせない要素ですね。
複利とは「利息計算の方法の一つ」とご紹介しましたが、実は「単利」という利息の計算方法もあります。
仕組みはとてもシンプルですが、詳細は後ほどご紹介していきます。
元本とは?
元本とは、金銭的な利益を生み出すために最初にあなたが投じるお金のことです。
例えば、定期預金を10万円するとしたら、この10万円が元本であり、株を100万円分購入するとしたら、100万円が元本です。
「元本割れ」という言葉がありますが、こちらは最初に投資に使ったお金(=元本)が減ることを意味します。
株をしていると損失が出ることもありますが、これが「元本割れ」ですね。
そもそも利子や利息って?違いは何?
実質的には同じものを指していますが、お金の貸し借りの対価をどう呼ぶかという違いです。
よく、「利子を支払う」とか「利息を受け取る」という言い方をすると思います。
立場がお金を貸す側か、借りる側かの違いで呼び方が違ってくるということですね。
銀行でローンを組んだとしたら、対価(=利息)を受け取るのは銀行で、対価(=利子)を支払うのはローンを組んだ人です。
複利については、以下の動画も参考になります。
文章だと難しいなぁと感じる方は、動画もおすすめですよ。
定期預金にも採用される複利方式
みなさんは銀行で定期預金をしたことがありますか?
定期預金とは
定期預金とは、一定の額を一定の期間銀行に預けておくことで、通常の預金よりも高い利息を受け取れる金融商品です。
<代表的な大手銀行>
1)三菱UFJ銀行(https://www.bk.mufg.jp/tameru/yen/sp_teiki/btm/index.html)
2)オリックス銀行(https://www.orixbank.co.jp/personal/deposit/edirect/#anc_01)
ここでは2つだけご紹介しましたが、どの銀行でも定期預金をすることは可能です。
利息計算方法は単利と複利に分かれていることが多く、一般的に複利運用の方が長期向けです。
そのため、長い間銀行に預けていても構わない場合は複利型を選ぶ方が多いと思います。
銀行によっては単利と複利のどちらかしかない場合もあります。定期預金をする際はチェックしてみてください。
定期預金の魅力は高い安全性
定期預金はなぜ安全性が高いのでしょうか。
答えは、銀行がつぶれる確率はかなり低いからですね。
もっといえば、お金を預ける銀行がなくならない限りは安全ということになります。
株や投資信託は、価額が日々変動します。
その分大きな収益を得られる可能性もありますが、投資したお金を失うリスクも高くなります。
このことから、収益は少しでも構わないから安全な投資方法を選びたい、という方には定期預金が向いていますね。
実際に複利を分かりやすく計算してみた
文章では分かりにくいので、実際に計算をしてみます。
今回は、上記で紹介した定期預金を例にとって考えます。
一般的な1年複利の計算
<前提条件>
※現状、1%もの金利がつく定期預金はないと考えて良いと思いますが、あまり数字が小さくなると計算しにくいので1%と仮定します。
※また、この例で算出する金額は税引き前金額です。
複利がどのようなものかイメージできましたでしょうか。
2年目は、最初の元本に1年目の利息額を足した金額にまた利息がついて計算されていますね。
1年複利と半年複利の違い
上の例は、1年複利で計算しましたが、複利の効果は期間によって違ってくるのです。
銀行にもよりますが、1年複利の場合もあれば、半年複利の場合もあります。
違いは以下の通りです。
実は、預ける元本と期間、そして利息が同じであれば半年複利の方が有利なのです。
言葉だけでは分からないので、先程の例を半年複利で計算してみることにします。
半年複利の計算
<前提条件>
半年複利ということは、1年で2回利息計算がされることになります。
数字が細かくなりすぎると分かりにくいので、1年目だけ見てみます。
<1年目の結果>
このようになりました。
金額が少ないのでわずかな差ですが、金額が大きくなればなるほど半年複利の効果が出てきます。
今回は1年と半年のケースで比較しましたが、期間が短くなるほど有利になります。
複利運用の効果ってどうなの?
複利運用の効果は、運用期間が長期になるほどその効果を発揮します。
上記で見た通り、このような効果が期待できます。
最初に定期預金を例に出して複利とは何かを説明しました。
「元本+利息」の金額に対し、さらに利息がついていくというものでしたね。
しかし現実問題、今の日本は超低金利で定期預金の効果もあまり期待できません。
そこでよくおすすめされるのが投資信託です。
特に、つみたてNISAやNISAなどは長期的に安定して投資をするのに向いており、複利効果で効率的な運用が期待できます。
投資信託における複利効果がどのようなものか、簡単にご紹介します。
その後、資産運用で人気の「つみたてNISA」について見ていきますね。
投資信託と複利効果
投資信託には、分配金があるものとないものに別れています。
分配金とは、定期預金でいう利息のようなものですね。
違いは以下の通りです。
複利効果を狙って再投資する場合は、最初から分配金なしのものを選ぶのが得策ですね。
今人気!つみたてNISAって何?
つみたてNISAの大きなポイントは以下の通りです。
大きなお金でいきなり資産運用するのは怖い方や、ちょっとずつコツコツ資産を増やしたい方におすすめの制度です。
「つみたて」とはどういうことかというと、毎月決まった日付に決めておいた金額分の投資信託を購入するということです。
具体的に次で流れを確認していきます。
つみたてNISAの流れ
ネット証券は手続きが簡単でおすすめです。例えば、楽天証券やSBI証券が大手のネット証券として有名です。
楽天証券:https://www.rakuten-sec.co.jp/9
SBI証券:https://www.sbisec.co.jp/ETGate
2)積立する投資信託を選ぶ
金融機関によって取り扱っている投資信託は異なります。
運用成果など過去の成績などをチェックし、お気に入りのものを選んでください。
上でご紹介した楽天証券やSBI証券だと、人気のある投信がどれかも分かりやすいです。
3)投資する日付と金額を決める
毎月何日に何円分投資するかを決めます。
他の引き落としがあれば、それと合わせた日付にすると分かりやすいですね。
他にも1日や給料日など、自分が納得できる日付でOKです。
金額についてもまずは少額から初めてみるのが良いと思います。
4)購入予定の投資信託の目論見書などを確認する
投資信託は購入する際に、リスクなどが説明された「目論見書」というものに目を通さなければいけません。
場合によっては損失を出すこともありますが、全ては自己責任になりますのでご注意ください。
5)問題がなければこれで完了
毎月の積立に合わせて、引き落とし口座には入金を忘れないようにしてください。
やってみたけどイマイチだった…という場合はもちろん解約できます。
証券会社によって手続きは異なりますので、もし分からなければサポートセンターなどに問い合わせてみてくださいね。
長期運用が前提なので、あまり日々の損益は気にせず長い目で見ることが大切だと思います。
単利と複利の違いって何?
両者の違いを簡単にまとめると、以下の通りです。
このような違いがあります。
単利と複利の計算例
複利の計算例はすでにご紹介しましたが、改めて単利方式の場合と比較してみます。
<前提条件>
<利息計算法:複利(1年複利)>
<利息計算方法:単利>
<3年目の結果>
単利のメリットとは
正直、複利と単利の比較だけを見たら「わざわざ単利にする意味ってあるのかな」と思いませんか?
繰り返しになりますが、複利運用とは長期向けの運用方法です。長く運用するからこそ、複利のメリットが出てくるものでしたね。
となれば単利は「都度利息を受け取りたい」という場合に向いています。
長期投資ではなく、利息がついた時点で受け取りたいなという場合は単利を選ぶメリットがありますね。
まとめ
以上が複利についての大きなポイントでした。
これから資産運用を始めようかなという方に人気の「つみたてNISA」では、今回ご紹介した複利の効果が期待できそうですね。
複利は長期でコツコツやる方に特に効果が発揮されます。つみたてNISAとの相性もバッチリですね。
単利にもメリットはあるので、複利と合わせてどちらが向いていそうか確認してみてください。