こんにちは、ライターのまゆです。
冠婚葬祭には色んなマナーがあると言われていますが、お悔やみの連絡はいつも急ですよね。
葬儀へ参列したいけれど都合がつかない場合もあるかと思います。
そんな時、せめてお悔やみの気持ちと一緒に、香典を郵送で届けることができたらいいなと思いませんか?
私も先日、親戚が亡くなったとの連絡を受けたんですが、遠方のため葬儀に出席できそうもなかったので、香典だけでも郵送する方法を知りたいと思いました。
でも、香典を郵送しても失礼にはならないかや、こういったときのマナー、それに郵送するタイミングなども気になったので、あわせて調べてみました。
香典は郵送できるの?
香典は通夜や葬儀に持参するのが基本ですが、どうしても出向くことができない場合は郵送しても失礼にはあたらないようです!
郵送方法は「現金」を送るので、「現金書留」になります。
現金を郵便で送る際に現金書留を使わずに送ることは郵便法の第17条に違反になるそうなので、必ず現金書留を使うようにして下さいね。
以下に郵便局での「現金書留」の送り方をまとめてみたので、参考にして下さい!
●現金書留の送り方
●購入場所
現金書留には専用の封筒が必要です。
購入は郵便局の郵便窓口、または、ゆうゆう窓口で購入できます。
コンビニなどでは基本的に販売はされていないようなので、郵便局の普通の営業時間内に行くことができない時は、土日祝日や平日の遅い時間でも開いてる郵便局を探してみて下さい。
それでもどうしても郵便局へ行けない場合は、ネットショップを利用して不祝儀袋とセットになっているものを購入してみるといいかもしれません。
ただし、購入してから到着するまで時間がかかるかもしれないので、余裕がある場合のみおすすめします。
●購入するサイズ
郵便局の窓口で購入する場合の現金書留の封筒には、「定型郵便サイズ(119mm×197mm)」と「定形外郵便サイズ(142mm×215mm)」の2種類のサイズがあります。
不祝儀袋を入れる場合は、大きいサイズを選ぶと確実に入って安心です。
封筒代金は大きいサイズ、小さいサイズとも同額の21円ですが、郵便料金が違います。
●料金
現金書留の手続きに必要な料金は、郵便料金+現金書留料金+封筒代金の合計となります。
現金書留料金は、同封する現金の額によって変わるようです。
1万円以下が基本料金430円として、それ以上は5000円ごとに10円が加算されます。
ちなみに、現金書留で送ることができる最高金額は50万円までになります。
窓口へ持っていく前に、だいたいどのくらいの料金になるか知っておきたい場合は、定形郵便サイズを使うと533円~、大きい定形外郵便サイズを使うと571円~を目安として下さい。
封筒の大きさや、郵便物の重さによる料金一覧を調べてみたので、事前に計算したい場合は参考にしてみて下さいね。
※オプションで「速達」にすることもできます。その場合は、以下の金額が加算されます。
250gまで:プラス280円
1kgまで:プラス380円
トータルの重さは、封筒(9gまたは11g)、不祝儀袋12g、お札1枚1g、便箋2g程度ですので、一般的には50gは超えないかと思います。
●封筒の書き方
現金書留の封筒には、送り先と自分の「住所」「名前」「電話番号」を記入する欄があります。
現金書留の封筒は、以前は複写式になっていたのですが、2016年2月以降から複写式ではなくなったそうです。ですが、古い封筒も使えますので、もし手元にある方は使っても大丈夫ですよ。
なお、古い封筒には、万一現金書留が届かなかった場合に補償される金額(損害要償額)の記入欄がありましたが、2016年以降はこの欄がなくなっていますので、差し出す際に窓口に申し出ることになります。
特に申し出なかった場合は、現金の場合1万円を限度額とする実損額が補償額となるようです。
●現金書留郵便の出し方
封筒が二重になっているので、内側の封筒に不祝儀袋と手紙を入れて下さい。
二重封筒の封の仕方も書いておきますね。
下ふたを持ち上げて互い違いに閉じていくんですが、中身が現金なだけに封筒は丁寧に厳重に閉じるようにして下さい。
そして、3箇所に○があるので、そこに割印を押します。印鑑はシャチハタでも構いません。
この状態で郵便局の窓口へ持って行って料金を支払って出します。
届くまでの日数は、通常の郵便と同じ程度だそうです。
香典の郵送方法はどうやるの?
「現金書留」の送り方はわかったのですが、ただの現金ではなく中身が「香典」の場合は、郵送する際に気を付けたほうがいいマナーがあることがわかりました。
マナーに則って失礼のないように送れたらいいなと思ったので、ご紹介しますね!
●基本のマナー
●不祝儀袋をを用意する
香典を現金書留で郵送する場合でも、封筒に現金をそのまま入れるのは失礼にあたります。
マナーとしては葬儀に参列する場合と同じように、必ず不祝儀袋を用意して下さいね。
現金書留の封筒に入れるので、豪華で大きなものよりも、シンプルなものや、水引が印刷されているタイプを選ぶといいみたいですよ。
●香典袋の書き方
●表書き
ペンは「涙で墨がにじんでしまった」を意味する薄墨のペンで書くのが昔からのやり方のようです。
文字が印字された香典袋を使う際は、表書きが黒の場合が多いので、薄墨ではなくそれに合わせて自分の名前も黒にするといいようです。
表書きの言葉は、宗派によって使い分けることが必要なようです。どの宗派かわからない場合は、「御霊前」と書いて下さい。
御霊前 | 仏教・キリスト教・神式どの宗派でも使えます。 |
御香典 | 仏教 |
御花料 | キリスト教 |
玉串料 | 神式 |
●内袋
郵送する場合でも、香典袋の内袋には必ず「金額・住所・氏名」を記入するようにして下さい。
●香典金額の目安
香典の額は、多ければ多いほどいいという訳ではないようです。
受け取った側は、今後葬儀があった場合に同額程度の金額を包むというマナーがあるので、相手の負担にならないように、故人との関係や自分の年齢によって香典金額を考えたほうがいいようです。
なお、新札やシワシワのお札や、「死」を直接連想させる4や9の金額は避けるのもマナーだそうです。
一般的な香典額を調べてみたので是非参考にしてみて下さいね。
●親族
故人との関係 | 20代 | 30代 | 40代以上 |
祖父母 | 1万 | 1~3万 | 3~5万 |
父母 | 3~10万 | 5~10万 | 10万~ |
兄弟姉妹 | 3~5万 | 5万 | 5万 |
おじ・おば | 1万 | 1~3万 | 1~3万 |
上記以外 | 5千 | 5千 | 1万 |
●友人
故人との関係 | 20代 | 30代 | 40代以上 |
友人・知人 | 5千 | 5千~1万 | 5千~1万 |
友人・知人の父母 | 3~5千 | 5千~1万 | 5千~1万 |
●勤務先
故人との関係 | 20代 | 30代 | 40代以上 |
上司 | 5千 | 5千~1万 | 5千~2万 |
上司の家族 | 3~5千 | 3千~1万 | 5千~1万 |
社員 | 5千 | 5千~1万 | 1万~ |
社員の家族 | 3~5千 | 3千~1万 | 3千~1万 |
●その他
故人との関係 | 20代 | 30代 | 40代以上 |
先生・恩師 | 3~5千 | 3千~1万 | 3千~1万 |
近所 | 3~5千 | 3千~1万 | 3千~1万 |
仲人 | 1万 | 1万 | 1万~ |
●郵送先の注意点
香典を郵送する際の送り先ですが、必ず喪主、もしくは遺族宛に送るようにして下さい。
現金書留郵便は本人でなければ受取ができませんので、斎場に送ってしまうと喪主や遺族がちょうど斎場にいる時以外は受け取れないことになります。
斎場の方で預かってもらうことは、基本的にできないようなので気を付けてくださいね。
香典に添える手紙の例文はどういったものがいいの?
もうひとつのマナーとして、香典を送る際は、お悔やみの気持ちを表した手紙を同封するようにしてください。
友人の場合等は故人との生前どのような関係だったのかを記しておくと、直接、故人の家族と面識がなかったとしても、自分のことが伝わるのでいいと思います。
なお、手紙は、タイプで打ったものではなく手書きにすることもマナーです。
普段書く手紙と違って、色々と気を付けたほうがいいことがあったので、書き方を詳しく紹介します!
●便箋・封筒・ペンの選び方
便箋:白無地、縦書きが基本です。
色やデザインのあるものを選ぶ際は、グレー、紫、深緑などの落ち着いた色やシンプルなデザインを選ぶようにして下さい。現金書留封筒に入れるので、サイズはあまり大きくないものがいいと思います。
また、葬儀のタブーである「重ね重ね」とならないよう(不幸が重ね重ね起こるという意味にも受け止められる為)1枚におさめることも大切です。
封筒:便箋同様、白無地が基本です。ここでも「重ね重ね」にならないよう、二重になっているものは使わないように気を付けて下さい。
ペン:黒色のボールペンもしくは黒色の万年筆で書きます。特に薄墨である必要はないそうです。
●手紙の例文
故人に対しての気持ちを書くといいんですが、失礼のないようにまとめるには、以下のポイントをふまえて書くといいようですよ。
あまり長くせず簡潔に書くこともコツです。
例文をまとめてみたので、あわせて紹介しますね!
●例文
- ○○様のご逝去を悼み謹んでお悔やみ申し上げます。
- ○○様とは学生時代に同じサークルで大変お世話になりました。
(親戚の間柄で説明する必要がない場合は割愛) - 本来であれば弔問に伺うべきところではございますが、やむを得ない事情があり
ご葬儀へ参列ができず申し訳ございません。何卒お許しください。 - 心ばかりのものを同封させていただきましたので、どうかご霊前にお供えいただきたく存じます。
- ご家族の皆様にはお力をお落としのことと存じますが、どうぞお気を強くお持ちになり、くれぐれもご自愛ください。略儀ながら書中にてご冥福をお祈りいたします。
香典を郵送するタイミングは?
香典は訃報を受けたらすぐ、初七日までに送って下さい。
遅くても1ヶ月以内に送るようにするのが一般的だそうです。
理由は、香典は気持ちのものですが、一方では実務的なこともあるようです。
四十九日を過ぎると香典返しや葬儀の清算が終わってしまっていることが多く、あまり遅すぎるとかえって迷惑になることがあるんですね。
もし、後日訃報を知った場合は、四十九日前であれば「ご霊前」、四十九日後であれば「ご仏前」と表書きをして郵送して下さい。
四十九日を過ぎている場合は、香典返し不要の旨を内袋の裏に一筆加えるといいと思います。
手紙には「ここ数年はご無沙汰していたために存じ上げず、弔問にもお伺いせずに申し訳ありませんでした。遅ればせながら、謹んでご冥福をお祈りいたします。」など、一文つけると気持ちも届くと思います。
- 香典は郵送しても大丈夫。
- 現金を郵送する場合は必ず「現金書留」を使うこと。
- 現金書留郵便には専用の封筒が必要で、郵便窓口もしくはゆうゆう窓口で購入できる。
- 不祝儀袋を用意して、手紙を同封するのがマナー。
- 葬儀場へは送らず、喪主もしくは遺族宛の住所に送る。
- 添える手紙はお悔やみの手紙の書き方に従って書くようにする。
- 郵送のタイミングは初七日~1ヶ月が目安。
まとめ
今回調べたことをもとにして、私も無事に香典を郵送することができたので、気持ちも届けられたような気がしてほっとしています。
訃報はいつも突然のことですが、こういったマナーを予め知っていると、慌てることなくお悔やみの気持ちを伝えることができますね。
やむを得ない事情で、葬儀に出席できないあなたにとって、この記事が役に立てばいいなと思います。