こんにちは!ライターのゆきです。

あなたは、「寸志」をもらったことがありますか?

初めて「寸志」をもらったけれど、どんなものかわからず、とまどう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は先日、中途採用にて入社1年目の主人が「寸志」として会社からお金をもらってきたんですが、恥ずかしながら、私は初めて聞く言葉で、一体どんなものなのか疑問に思いました。

そこで、そもそも寸志とは何なのか、家計の収入としてよいのか、このままお小遣いとして主人に渡してもいいのか調べてみたので、その結果をお伝えしたいと思います。

 

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寸志の意味って何?お小遣いと同じ?

電卓とお金の写真

まず、言葉の意味を知るために、「寸志」を国語辞典で調べてみました。

1.少しばかりの志。自分の志をへりくだっていう語。

2.心ばかりの贈り物。自分の贈り物をへりくだっていう語。贈り物ののし紙の上などに書かれる。

 

気持ちをお金の形にして渡すときに用いる、ちょっとしたお礼、厚意という感じです。

そのため、使われる場面もいろいろあって、お小遣いかどうかの基準はありません

次の見出しで実際にどんな場面で使われているのか詳しくご紹介しますが、会社からボーナスの代わりとしてもらった場合などは、家庭内で話し合って、お小遣いとするかどうか決める方が多いようです。

 

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寸志の一般的な使い方は?

お気持ちと書いてある封筒を差し出す写真

「寸志」とは、目上の人が目下の人に対して使う場面が一般的で、その逆は失礼にあたります。

そういうときは、「御礼」や「松の葉」(松の葉を包むほど、わずかな気持ちです。の意味)などの言葉を使うようにするそうです。

「寸志」は色々な場面で使われるので、具体例をご紹介したいと思います。
 
ボーナスの代わりとして

入社して日が浅かったり、労働規約にボーナスの規定を設けていないが、会社から社員にお金を渡すときに用います。

今回の私の主人のケースと同じように、入社1年目は「賞与」(ボーナス)はないが「寸志あり」となっていることがあるようです。

「ボーナスを渡す時期であるが、入社して日が浅く規定の満額渡すには多い。しかし、業務にはまじめに取り組み、今後の活躍に期待している」というような意味合いで渡されるそうです。

宴会や歓送迎会などの会

主賓(会の主役になる人)として招かれ、会費を求められていない場合に、幹事に対して、「寸志」としてお金を渡すことがあります。

この場合は「御樽料(おんたるりょう)」、「御樽代(おんたるだい)」と書くこともあるようです。

また上司が部下に対して宴会費用の足しとして使用してほしいと渡すときも用いることがあるようです。

結婚式の式場スタッフに対して

ウェディングプランナーやスタッフなどお世話になるスタッフの方々に対して気持ちとしてお金を渡すときに用いることがあります。

しかし、「寸志」は一般的に目上の人から目下の人に対して用いる言葉であるため、上から目線の印象を与える可能性があります。

そのため、こういった場面では、「寿」や「御祝」と書くことのほうが多いようです。

引っ越し業者に対して

ドライバーや引っ越し業者のスタッフに対して、気持ちとしてお金を渡すときに用います。

基本的にはサービス料も支払っているので必要ありませんが、感謝の気持ちを表したいときに使用します。

旅行スタッフに対して

温泉旅館の中居さんや運転ドライバーなどのスタッフに対して、気持ちとしてお金を渡すときに用います。

こちらも基本的にはサービス料を支払っているので必要ありませんが、高級旅館や、無理なお願いを聞いてもらったときに渡す場合に使用するようです。

寸志の金額相場は?

現金の写真

お祝いごとでの金額を包むとき、「2つに割ることができる」偶数は「別れ」を連想させるため縁起が悪いとされています。

また、「4」や「9」を含む数字も「死」や「苦」を意味すると考えられ避けることが多いです。

寸志も同じように考えられているので、奇数の金額を準備することが一般的です。

それでは、先ほどの使い方の場面に応じた相場をご紹介します。

ボーナスの代わりとして

その会社や、上司の考えによりますが10,000円~50,000円が相場のようです。

ボーナスよりは少ない場合が大半です。

宴会や歓送迎会などの会

主賓(その会の主役)などで会費を払わない場合に使うので、会費と同じか、それよりも多めに払うのがマナーです。

調べてみたところ、会費が5,000円であれば、5,000円~10,000円包む方が最も多いようでした。

迷う場合は、末広がりの意味を持つ「八」を含んだ8,000円を包むとよいかもしれませんね。

結婚式の式場スタッフに対して

1人あたり3,000円~10,000円程度が相場です。

その時お世話になったスタッフさんへの感謝の気持ちなので、夫婦・両親と話し合って決めるとよいですね。

引っ越し業者に対して

1人あたり1,000円程度が相場です。

旅行スタッフに対して

1人あたり3,000円~5,000円程度が相場です。

のし袋の書き方や渡し方は?

のし袋の写真

のし袋に名前や文字を書くときは毛筆が最も好ましいですが、ハッキリと読めれば問題ないので、黒色で太さのある筆ペンやフェルトペンも使えます。

封筒選び

一般的には、紅白の水引で、ちょうちょ結びの形をした「花結び」と呼ばれるのし袋を使いますが、職場内の歓送迎会などの場合は、白い無地の封筒(縦封筒)も使えます。

また、スタッフへ渡す場合など、水引は少し大袈裟かなというときは、水引の代わりに白い封筒で縦に1本赤色の線が入った「赤棒」と呼ばれるものも使えますよ。

10,000円以下ならば水引の印刷されたものやシンプルなものを、10,000円以上ならば、印刷ではなく実際に水引がかけてあるものを選ぶといいそうです。

また、封筒の裏に金額の目安が書かれていることもあるので、そういったものを確認してから金額にあった封筒を選んでみてくださいね。

書き方

●のし袋の表

水引がある場合は、水引の上の中央に「寸志」下に名前を書きます。

《名前の書き方》

  • 個人名を書くときは水引の下の中央に大きく書きます。
  • 会社名も書く場合には名前を中央に書き、右横に名前よりも小さい文字で記入します。
  • 連名の場合は、右に上位の人が来るように書きます。4名以上になる場合は、代表者1名の名前を中央に書いて、その左側に『他一同』と書きます。

 

●のし袋の裏

左下に金〇〇円也と金額を書きます。

金額は漢数字で書きますが、下記は日常と少し違うので注意してくださいね。

1→一・壱
2→二・弐
3→三・参
5→五・伍
10→十・拾
→千・仟・阡
→万・萬

 

お金の入れ方

寸志はそこまでかしこまったものでなく、ちょっとした気持ちを渡すものなので必ずしも新札を用意しなくてもよいそうです。

ただし、くしゃくしゃのお札よりはきれいなお札を準備したほうが、受け取った側も気持ちよく受け取ることができますね。

お金を入れる向きはご祝儀と同じように、封筒の表側に福沢諭吉の顔が上にくるよう入れてください。

のし袋入れるお札の向きの写真

渡し方

受け渡しの写真

歓送迎会では、前日に幹事へ渡すこともあるようですが、会の始まる前が一般的です。

渡すときには、幹事へ「お疲れ様です。」とねぎらいの言葉を一言添えて一緒に渡すといいですね。

結婚式や旅行スタッフへ渡す場合は、直前だと忙しいので、できれば前日か当日のスタッフが仕事にとりかかる前に渡してください。

「今日は一日よろしくお願いします。」との言葉を添えて渡すとスムーズだと思います。

寸志をいただいた際の対応は? 

thanksの写真

寸志をいただいたら、その後の対応が必要な場合もあります。

ここからは、具体的な対応をご紹介します。

受け取った時

寸志を受け取った時には、「ありがとうございます。頂戴いたします。」や「お心遣いありがとうございます。」とその場でお礼の気持ちを伝えます。

「そんなのいいですよ。」と断ることなく、相手の気持ちを素直に頂戴することがマナーです。

その後の対応が必要な場合

寸志を受け取ったら、後日、メールやお礼状で感謝の気持ちを伝えるのがマナーです。

また、歓送迎会などで、上司や主賓の方から寸志を受け取ったら、全体に紹介するのも大切なマナーなので、それぞれ詳しくご紹介します。

●お礼メール・お礼状

上司など、社内の人へのお礼はメールでのお礼で構わないのですが、取引先や社外の方へのお礼は、メールではなくお礼状を書くのがマナーです。

取り急ぎ感謝の気持ちを伝えたい時は、メールで簡単にお礼を伝えた後、お礼状を書くようにしてください。

メールを送る場合は、寸志をいただいた当日か、翌日の業務開始時前を目処に送るといいですよ。

なお、電話は相手の業務の手を止めてしまい時間を取ってしまう可能性があるため急ぎの用事でない限りおすすめしません。

お礼メールの例文

ここからは、メールでお礼を伝える場合の例文を相手別にご紹介します。

《上司宛》

○○部長

お疲れ様です。

昨日はお忙しい中、△△部の食事会にご参加くださり、ありがとうございました。

また会を開くにあたりご厚志まで頂戴し、楽しいひと時となりましたことを重ねて御礼申し上げます。

メールにて恐縮ではございますが、取り急ぎ○○食事会ご出席のお礼を申し上げます。

ありがとうございました。

△△部
○○

 

《社長宛》
※ボーナスとしていただいた時

○○社長
お疲れ様です。

この度は、特別手当を支給いただき誠にありがとうございました。

○○社長のあたたかいお心遣いに心から感謝いたします。

入社してまだ間もない未熟な私ではありますが、毎日先輩方から丁寧にご指導をいただいております。

今後、少しでも早く会社に貢献しご期待に応えるべく、鋭意努力して参ります。

これからも宜しくお願い申し上げます。

取り急ぎ、賞与ご支給の御礼を申し上げます。

△△部
〇〇

 

《取引先・社外の方宛》

株式会社〇〇〇〇
代表取締役 〇〇 〇〇 様

平素より大変お世話になっております。

株式会社△△の△△です。

本日はお忙しい中、□□会へご出席いただきまして誠にありがとうございます。

また、ご厚志まで頂戴しましたこと、心より厚く御礼申し上げます。

本年もより一層のサービス向上を目指して、社員一同全力を持って取り組んで参ります。

メールにて恐縮ではございますが取り急ぎ、□□会ご出席の御礼を申し上げます。

株式会社△△ △△部
(氏名)△△ △△
住所:〒〇〇〇-〇〇〇〇 東京都〇〇区〇〇町1-2-3
TEL:00-0000 / FAX:00-0000
URL:http://〇〇〇.co.jp
Mail:〇〇@〇〇.co.jp

 

お礼状の例文

社外の方などへのお礼状の例文をご紹介します。

メールで取り急ぎお礼を伝えている場合でも、数日以内に送るようにしてください。

会でのエピソードや、挨拶していただいた内容について触れるような内容にすると、テンプレートの引用ではないことが伝わり、相手への感謝の気持ちを丁寧に伝えることができますよ。

拝啓 時下益々ご盛栄のことと、心よりお慶び申し上げます。

先日は、小宴にご参加いただきましてありがとうございました。

ご多忙の中、貴重な時間を共に過ごすことができたことを、嬉しく思います。

お食事もさることながら、公私にわたる様々な事柄をじっくりと話すことができたことはかけがえのない時間であり、重ねて御礼申し上げます。

皆様とのご縁に感謝の気持ちを込めて、書中にてお礼とさせていただきます。 

またお話を聞く機会を楽しみにしております。

今後ともお付き合いのほど、よろしくのお願い申し上げます。

敬具
 
○年○月○日
株式会社△△ △△部
(氏名)△△ △△

 

迎会などでの全体への紹介の仕方

紹介するタイミングは、できれば会が始まる前の挨拶などお酒が入る前にするのがおすすめです。

「寸」には、「ちょっとだけ」の意味があるので、上司から「少しだけお金をもらいました。」と紹介することは失礼にあたります。

宴会などの冒頭での紹介の時には「本日は○○部長よりご厚志(お心遣い、お志)をいただいております。」と呼び名を変えて紹介するようにしてください。

また、金額について具体的には言わないこともマナーなので、気をつけてくださいね。

お返しについて

寸志をいただいたら、本来はなにも返さなくてもよいものとされています。

しかし、感謝の気持ちとしてお返しをしたいという時には、お菓子を贈ったり、次の宴会の足しにするということがあるそうです。

会社などの慣習がある場合もあるので、一度上司などに確認してみるのがいいと思います。

まとめ

寸志とは、「ちょっとした厚意」の意味があり、様々な場面で使われることがわかりました。

ただし、目上の人へは使えないことや、ただ受け取ればいいという訳ではなく、その後に対応が必要なこともあるので、気をつけなければならないなと思いました。

今回、私の主人は、ボーナスの代わりとしていただいたようなので、相談のうえ、共有財産として家計に入れてもらうことにしました。

みなさんも寸志を頂いたり、逆に渡す場合に出会うことがあるかもしれませんが、これを機に寸志に関するマナーを覚えておくとよいかもしれませんね。

 

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