こんにちは、ライターのたじまるです!
勢力の強い台風を表す「台風の目」ですが、気象衛星などで見ると台風の目の中には雲がないですよね。
「台風の目の中は雲がないから、晴天になる」ということを耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
でも実際に台風の目の中に入る経験をすることは稀なので、わからないことが多いですよね。
そこで今回は、台風の目の中は本当に青空で風も静かなのか、気圧など台風の目の中はどうなっているのか、についてご紹介していきます。
台風の目の中は本当に青空で風も静かなの?
結論から言うと、台風の目の中は青空で風も静かです!
台風の目の中が青空で静かな理由
風が強いほど「遠心力」が強いため外側に引っ張られ、中心に風が吹き込めなくなります。
そのため、勢力の強い台風ほど強い遠心力によって中心に穴が開いたように雲がなくなり、風も静かになります。
遊園地でコーヒーカップに乗って、カップをぐるぐるまわすと体が外に飛ばされそうになりませんか?
それと同じことが台風の目にも起こっていて、勢いが強くて中に風が入れなのです。
台風の目は必ずできるものではない
台風の目ができるのは勢力が強い台風ということになります。
台風の目の大きさと勢力の関係
台風の目が大きい方が強い台風のように思えますが、目が大きいと中心の気圧の変化が穏やかになっているので、あまり強い風は吹きません。
勢力が強い台風は、目が小さくハッキリしているので、これから天気予報で台風情報を見る時の参考にしてくださいね。
台風の目の両側は強い風が吹いている!
■台風の目
こちらの動画では、台風の目に入って青空が広がっていますが、そのうちまた雲に覆われ風が強くなる様子が撮影されています。
さっきまで晴れていたのに、黒い雲が出てきて天気が悪くなるのが、なんとも不思議な光景です。
台風の目の気圧はどうなってるの?
台風の目は「中心気圧」と呼ばれ、台風周辺よりも気圧が低くなっています。
空気は気圧が高いほうから低いほうへと動くので、気圧が低くなっている台風の目に向かって強い風が吹きます。
中心気圧はhPa(ヘクトパスカル)という単位で表され、台風の勢力の目安になります。
台風の強さとhPa
弱い | 990hPa以上 |
並み | 960~989hPa |
強い | 930~959hPa |
猛烈 | 900hPa |
このように、中心気圧が低いほど勢力が強くなります。
ただし、台風の強さは中心気圧だけで決まるのではなく、周辺との気圧の差によって発生する風の強さも影響してきますので、あくまでも参考ととらえてください。
台風の目の変化(発生から消えるまで)
台風は発生してから消滅するまで、勢力が変化していきます。
ここからは、台風の発生~消滅までの間台風の目がどう変化していくのか、4つの段階に分けてご紹介します。
時期 | 状態 | 台風の目 |
発生期 | 熱帯の海上で積乱雲が発生し、渦を作り出す。渦の中心の気圧が下がり、風速が17m/Sを超えたら「台風」になります。 | まだ台風の目はできていません。 |
発達期 | 台風になって、勢力が一番強くなるまでの期間です。中心の気圧はどんどん低くなり、中心付近の風も強くなります。 | 台風の目が発生します。 |
最盛期 | 中心の気圧が一番下がり、最大風速が一番強くなる時期です。 | 小さくハッキリした目になります。 |
衰弱期 | 熱帯低気圧や温帯低気圧に変わって終息していく時期です。 | 目は次第に大きくなり形が崩れ消えていきます。 |
台風の目の気圧は周りより低く、最盛期になるにつれてさらに低くなります。
気圧が下がることで風も強くなってくるのです。
台風の目の意味って何?
台風の目とは、台風中心のぽっかりと穴が開いている部分を指します。
英語では、「eyewall(アイ・ウォール)」と呼ばれ、和訳すると「目の壁」または「目の壁雲」となります。
気象庁のホームページでは、「台風の眼→台風の中心付近で風が弱く雲が少ない部分。」と紹介されています。
その他の意味は?
台風の目は、台風だけでなく、慣用句や競技名として使われることもあります。
いつでも物事の中心にいて注目を浴びているような人を「台風の目ような人だ」と言います。
競技名:運動会の競技にもある「台風の目」
運動会で長い棒を4~5人で横に持って走り、旗を中心にまわる競技です。
中心の人は力を入れてまわさないといけないし、一番外側の人は飛ばされないように早く走らないといけない、おもしろい競技ですね。
ラニーニャ現象は台風と影響してる?
ラニーニャ現象は、間接的にですが台風に影響すると言われています。
具体的には、台風の発生位置、発生数、発生時期など、台風のサイクルが変わると考えられています。
ラニーニャ現象とは?
東太平洋の赤道付近で海面水温が例年と比べて低くなり、その状態が1年ほど続くことをいいます。
これとは逆に、東太平洋の海面水温が高くなることを「エルニーニョ現象」といいます。
ラニーニャ現象とエルニーニョ現象は数年おきに繰り返されます。
2つの現象は日本よりだいぶ遠くで起こる現象ですが、日本にも以下のような影響があります。
ラニーニャ現象 | 夏は気温が上がり暑くなり、冬は気温が下がって寒くなります。 |
エルニーニョ現象 | 夏は日照時間が短くなり気温が低く、冬は暖かくなります。 |
台風の発生は熱帯地域の海上が多いので、海面の水温の変化によって台風も変化するということです。
2020年は9月までに日本への台風の上陸がありませんでした。
ラニーニャ現象の影響で台風の発生位置が例年より西にずれ、発生してから消滅する期間が短くなったことが原因とみられています。
■2020年は9月まで台風上陸ゼロ その理由はラニーニャと気圧配置
天気予報が当たる確率はどれくらいなのかを紹介している記事です!よろしければ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
台風の目の中は、遠心力によって中心に風が吹き込めなくなるため、青空で風も静かになります。
目の大きさは20~200Kmにもなりますが、小さくハッキリしている方が周辺との気圧の差が大きいため、勢力が強い台風になります。
台風の目に入ると晴れて風がやみますが、目が通り過ぎると再び強い風が吹き、雨も降ってきますので、晴れたからとすぐに外に出ないようにしてください。
台風が近づいている時は、気象情報をこまめにチェックし慎重に行動してくださいね。