こんにちは!ライターのYukiです。
海釣りが趣味だと、市場に出回らない魚に遭遇することってありますよね。
私の夫は釣りが趣味なんですが、最近バラムツという魚を持って帰ってきました。。
私自身、よく知らない魚だったので、どう調理していいのか調べていたところ、アブラソコムツという魚とそっくりなことに気づきました!
さらには、食べられない魚であることもわかったので、今回は、バラムツとアブラソコムツの違いや、注意点について、私が知ったことをまとめてご紹介したいと思います。
バラムツとアブラソコムツの違いは何?
バラムツとアブラソコムツの違いは、おなかからしっぽの部分の形にあります。
トゲトゲがないのがバラムツで、トゲトゲがあるのがアブラソコムツです。
一般的にはバラムツの方がアブラソコムツよりおいしいと言われますが、魚の種類はどちらもスズキ目サバ亜目クロタチカマス科となっていて、見た目以外には違いはありません。
それを裏付けるように、沖縄ではバラムツとアブラソコムツはまとめて「インガンダルマ」と呼ばれています。
さらに、バラムツもアブラソコムツも人の体内で消化できない油を含んでおり、大量に食べると健康被害を引き起こしてしまうことから、食品衛生法で流通を禁止されている点も同じです。
他にアブラボウズという魚も混同されがちですが、こちらは別の魚です。
アブラボウズも40%以上が脂身の魚ではありますが、バラムツやアブラソコムツとは油の成分が違い、食品衛生法で禁止されていません。
しかし、食べ過ぎると下痢を起こすことがあるので、食べすぎには注意が必要です。
バラムツとアブラソコムツは普通のムツとは違うの?
ムツは、バラムツとアブラソコムツとは違う種類の魚です。
分類上、ムツは「スズキ目スズキ亜目ムツ科」、バラムツとアブラソコムツは「スズキ目サバ亜目クロタチカマス科」と分類されています。
また、バラムツとアブラソコムツの油は人の体内で消化することができない成分なのに対し、ムツの油は体に良いDHAやEPAを含む不飽和脂肪酸でできている点も違います。
ちなみに、ムツとは「脂っこい」という言葉がなまったものなので、魚の種類が違っていてもムツと呼ばれていることがあります。
有名なものは黒ムツ、赤ムツ(ノドグロ)で、どれも高級魚とされていますが、こちらも種類が違う魚です。
バラムツとアブラソコムツの身は全て油(ワックス)!
バラムツとアブラソコムツに含まれる油は、ワックスエステルといわれる油(蝋)でできています。
この油は人の体内で消化できないため、食べすぎると皮脂漏症(皮膚から油が漏れる病気)になったり、便意がないまま油をもらしてしまったりすることが報告されています。
さらに消化できないことに加えて、油分の過剰摂取による下痢や腹痛といった症状や脱水症状も起こる場合があり、ひどい場合は昏睡状態になってしまうこともあるそうです。
このため、バラムツもアブラソコムツも1970年以降は食品衛生法で販売を禁止され、市場では流通できなくなりました。
お刺身ではなく油を落とせば食べられるような記事もみかけますが、安全というわけではありません。
バラムツとアブラソコムツの味は大トロ?
バラムツとアブラソコムツは脂が多いので、マグロの大トロに似た味がすると言われています。
市場に出回らない美味しい魚として、少量を自己責任の範囲で食べる漁師さんもいるそうです。
また、海外では「香油魚」や「白マグロ」、「ホワイトツナ」、「オイルフィッシュ」や「バターフィッシュ」など呼ばれ、高級魚としてレストランで提供されていたり、マーケットで手に入れることもできます。
バラムツとアブラソコムツを刺身以外で食べるなら?
バラムツとアブラソコムツはお刺身が絶品だと言われますが、油をたくさん食べると体に良くないということで、油を落として食べる調理方法も色々みられます。
食用OKな海外ではソテーで油を落としてから食べることが多いようです。
日本でも1970年から禁止される前は、駿河湾や大東島では普通に食べられていて、煮魚の他、みそ漬け・塩漬けにして油を抜いた後、焼いて食べるという調理方法がありました。
どの調理法にしても、体に悪い油を落としてから食べる調理法ですが、調理したからといって消化できる油に変化するわけではないので、心配なら食べないのが一番です。
バラムツとアブラソコムツを食べるなら必ず自己責任で!
バラムツとアブラソコムツは、調理法を変えて油を落としたとしても危険なことは変わりありません。
それでも「そんなにおいしいなら食べてみたい!」という方は、法律で禁止されるほど危ない魚だということを踏まえ、自己責任でお願いします。
人によって大丈夫な人もいれば、ほんの少し食べただけで体の調子が悪くなる人もいます。
少しなら大丈夫と書いていたからといってあなたの体が大丈夫だとは限りません。
それでもバラムツやアブラソコムツを食べてみたいなら、一度にたくさん食べないように自己責任で食べてくださいね。
バラムツとアブラソコムツもし持ち帰るなら何がおすすめ?
もし興味があってバラムツやアブラソコムツを持ち帰るなら、普通サイズのクーラーボックスで切り身を持ち帰るのが一番いいと思います。
なぜなら、バラムツやアブラソコムツはとても大きな深海魚で、全長1m~2mにもなります。
大きなクーラーボックスでもとても入りきりませんし、大量に食べると危険なため消費も難しい魚です。
釣り船によっては、希望者に切り身を分けてくれるところもありますので、興味がある方は問い合わせしてみてくださいね。
また、氷が溶けるのが心配なら、途中のコンビニなどで氷を足しながら帰ると保冷が長持ちします。
クール便を使う方法もありますが、夜釣りなどクール便が対応している時間との兼ね合いもありますので、クーラーボックスの方が手軽で安心ですよ。
まとめ
バラムツとアブラソコムツの違いは、おなかからしっぽの部分に、トゲトゲがあるかないかだけです。
どちらの魚も消化することのできないワックス成分が大量に含まれているため、食べ過ぎると下痢や腹痛、やひどい時は皮脂漏症や昏睡状態に陥る例もあります。
食品衛生法で流通が禁止されているので、手に入ったとしても、興味本位では食べない方がいい魚です。
今回私は食べる前に調べたので大変な事態にはなりませんでしたが、知らずに食べていたら…と思うとゾッとしました。。
食中毒に合わないためにも、知らない魚を食べる際にはきちんと調べて安全を確認してから、食べるようにしたいですね。